雑踏マンションを見る君
バイト終わりの深夜3時K君宅へ
そこから朝まで酒盛りをし時刻は朝の5時
2人で「朝日を見に行こう」ということになり、朝日の見えるバイパスへ
今日もたわいもない話をして朝を迎えた気がする。
僕達は朝日が昇る方向を見据え
朝日が顔を出した時、雲から飛行機が飛び出してきた時には、溢れたように声をあげる
僕は久しぶりに太陽が昇る様を見た気がした。
暗がりが明るくなっていき、その光が白い雲に色をつける、頭の中で僕は、夏休み早起きして通ったラジオ体操、まだ暗い時間から動き出して朝を迎えたどんど焼きを思い出しており、とても懐かしい気持ちに浸っていた。
Kくんも朝日を見ているかと思うとKくんは朝日とは真逆にある、マンションの雑踏を見ていた。
「こっちの景色もいいんだよ」
そう言った彼の通りに真逆を向くと、マンション達が朝日に照らされていて、これまたいい景色だった。
僕はまた朝日を見るため振り返った。
Kくんは朝日とマンション達を交互に見ている
同じ朝を同じ場所で見ている
それなのに目の方向はそれぞれが違う所に向いているという状況が何故だか気持ちの良い感じがして、心の中の
「いい朝だな〜」が漏れていた。
太陽がしっかりと顔を出した後、僕達はそれぞれの家の方向に向かった。
昇りきった太陽を見つめながら歩く帰路の途中
また、朝日を迎えることにしよう、そう思った